ユーザーに依頼され修理をし、試運転などの時に修理業者自身で交通事故を起こす場合があります。この時、修理業者は当然に交通事故の責任を負います。そして、通常の人身事故のように、運行供用者としてその所有者も責任を負うのかどうかという問題があります。
結論からいうと、修理業者に修理を依頼した場合はそれ以降、ユーザーは人身事故の責任を負いません。なぜなら、修理中はユーザーの支配から離れ、業者のみが試運転等をできるからです。(運行支配が無いと考え責任はありません)これは、業者に車を引き渡した時点からのことで、工場へのレッカー移動中も含まれます。
運行供用者
自賠法では、「自賠責保険は被保険者以外の他人に対して支払う保険である」とあります。被保険者とは「事故のために自動車を運行のように供する者」とされていて、これを運行供用者といいます。
難しいことはさておき、交通事故では、この自賠責法で人身損害については運行供用者も責任を負うとされています。物損など常識的には、「運転者だけがその責任を負う」と思われがちですが、運転供用者も運転者同様に責任を負うのです。
運行供用者にあたるものとして、所有者、親などの名義人、会社などが上げられます。これは賠償責任者に直結することではありますが、この判断については多くの判例、学説があり簡単に判断できることではありません。