労災保険にも自賠責保険と同じように、治療費、休業損害や葬祭費などの各種給付が存在します。しかし、両方とも損害のてん補を目的としているために、二重請求はできません。
では、どちらを請求すべきか。
ほとんどの場合、自賠責が優先されます。なぜなら、そもそも労災保険を元にして自動車用に作られたのが自賠責保険なので、自賠責保険のほうが交通事故に特化しているからです。ただ、実務で労災保険を使用するときは、臨機応変に労災に請求をする部分と任意保険に請求する部分を別々にして、被害者に有利な手続きにするのが一般的です。
なお、労災保険にはなく自賠責にしかないものでは、下記のようなものがあります。
仮渡金いや内払い制度がある
慰謝料がある
諸雑費支払がある
そして、他にも労災保険は休業損害が平均賃金の60%だったり(自賠責は19000円限度で100%)します。