人身事故で慰謝料が支払われるのは交通事故の受傷によって入通院を行った時だけです。交通事故で物損事故で入通院がない場合は慰謝料は支払われません。
目次
人身事故の慰謝料は2種類ある
交通事故の慰謝料は2種類あります。それは別々に計算される次の2つです。
2、後遺障害の慰謝料
1、人身事故の慰謝料とは、交通事故で入通院をした場合に認められる賠償金の一つですが、被害者がこうむった精神的な負担に対する損害の事をいい、実務では入通院慰謝料や傷害慰謝料と表現します。そして、この慰謝料の金額は、入通院の日数(後述)と受傷の程度の2つで決まります。逆にいえば、慰謝料が計算できない時もあり、それは人身事故で通院が全くない場合という事になります。
2、後遺障害の慰謝料とは、後遺症が認定された時に通院慰謝料とは別に支払われる慰謝料で、1~14級に分かれている後遺障害の認定等級によって金額が決まります。ちなみに、交通事故の賠償金の7割がこの後遺症によるものといわれています。
つまり、人身事故の慰謝料は、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の2つがあるという事になりますが、現在ではいくつもの実務の積み重ねによって、これら交通事故の慰謝料には一定の基準が存在し、ある程度の事前計算が可能となっています。
ただ、その人身事故の慰謝料基準は3種類あり、ケースバイケースで適用されます。(もっとも、この基準の間に金額の差があるからこそ、示談交渉が必要になってしまうのですが。)
その中でも、もっとも実利にかなった基準なのが、過去の判例傾向と、弁護士が裁判官の意見を聞いたうえで作成した基準です。その慰謝料基準の名は「民事交通事故訴訟・損害賠償算定基準」いわゆる赤い本と呼ばれるものです。実務では、赤本基準、裁判所基準、弁護士基準などと表現されます。
そして、この赤い本以外の慰謝料基準は、「自賠責基準」と「任意(保険会社)基準」の2つとなります。
人身事故の慰謝料3つの基準
慰謝料表というものが存在し、入通院の日数に比例して増えるが、月日が経過するごとに月当たりの慰謝料が減っていく
・ 自賠責保険
「一日4300円×入通院の日数(通院期間or通院実日数×2、のどちらか小さい方)」ただし、人身事故の賠償金が120万円以下の場合に適用される。
・ 任意保険
非公開基準 入通院の日数に比例して増える(一定の基準は存在する。月日が経過するごとに月当たりの慰謝料が減っていく)
これら3つの慰謝料金額の根拠は、
裁判所基準は、裁判で認められるであろう金額であり、
自賠責の基準は、自賠責保険から支払われる額であり、
任意保険基準は、保険会社が提示してくるであろう額、
ということになります。
なお、裁判所基準(弁護士基準)の請求を任意保険会社に行うと、「弁護士に委任していないので弁護士基準は採用できません」などと言ってきますが、弁護士委任をしても「裁判でないので、裁判所基準は採用できません」と言ってきます。保険会社の言い訳は、結局、慰謝料を払い渋りたい為の口実にすぎません。
なお、、金額の大小は
裁判所(弁護士会)基準>任意保険会社基準≧自賠責基準
となっています。
慰謝料の対象となる入通院日数(総治療期間)
慰謝料を計算する際に適用する入通院の日数は、それぞれの基準によって異なります。
裁判所基準 入院期間は入院期間、通院は通院期間。ただし、通院回数が極端に少ない場合は実治療日数の3倍または3.5倍とする。(これを慰謝料表に当てはめて算出する)
自賠責基準 入院は入院期間、通院は実治療日数を2倍したのと、治療期間を比べてどちらか少ない日数。
任意保険基準 非公開を原則とされていますが、これらの基準は強制されるものではありません。被害者の治療費、交通費、休業損害の大小によって多くもなれば少なくもなる場合もあるあいまいな基準です。非公開の任意保険基準がゆえに、「弊社基準」などと言って、どのくらいの慰謝料を算定するかは任意保険会社の自由なのです。結局のところ、一応の目安はあるものの、個々の事案により調整がなされるのが実情です。
逆にいえば、その示談金の調整方法、何を主張するのか?テクニック等で賠償額は違ってくるともいえます。実際には、休業損害の期間を短くする代わりに慰謝料を増やすといったやり方や、慰謝料を払うから後遺障害認定(治療を打ち切ってくれ)してくれ、丸い数字にして・・・、双方の主張の中間値の慰謝料金額で、といった交渉がなされたりしますが、示談の最終段階でもない限り慰謝料は慰謝料として独立して算出すべきです。なぜならば、任意保険会社は「慰謝料で診ますので~~は勘弁してください」などと、示談交渉前に言ってきたりします。これは、宜しい事ではなく、~~は~~として、しっかり損害賠償として計上すべきなのです。
交渉過程では当然、任保険会社は任意保険基準を主張しするし、裁判ではほぼ赤い本基準の金額になるし、自賠責保険の支払は当然のように自賠責基準になります。もちろん、被害者は最も高額な裁判基準を主張すべきです。
最後に、慰謝料算定の基準には青い本というものも存在することをご紹介します。
青い本とは「交通事故損害賠償算定基準」の事で、日弁連交通事故相談センターが発行している本です。これは、赤い本に比べてややローカル的な基準で、慰謝料の基準が掲載されています。赤い本の出版が日弁連交通事故相談センター東京支部発行に比べて、青い本は全国版だからとという理由もあります。
さて、青い本の慰謝料ですが、青い本では同じ期間と症状でも金額に幅を持たせているのが特徴で、対する赤い本は数字は一つに絞られています。
例えば、交通事故に遭って一ヶ月入院が必要だったとします。この場合の慰謝料額は、赤い本は53万円ですが、青い本では32万から60万円となっています。
どちらを使用して、慰謝料を算定するかはケースバイケースですが、実務では赤い本の方がややリードしているといって良いでしょう。
また、中でも自賠責基準を除いた慰謝料で、例えば訴訟では下記の4つの増減額事由が勘案されます。
増減額事由
1.外見に消えない傷跡が残った場合
2.事故が悪質な場合
3.示談交渉の労力が必要以上にかかった場合
4.加害者が保険料を負担していて被害者が搭乗者損害保険を受領した場合
大まかな人身事故の慰謝料は、無料で試算しますので、
1、入院・通院期間
2、実通院日数(病院へ通った日数)
4、傷病名または症状
5、減額事由があれば
6、後遺障害の等級
その内容をページ下部のフォームからお知らせください。
また、後遺障害の慰謝料については、後遺症障害の慰謝料をご参照ください。
お世話になります。
幼児ですが、頚椎捻挫と診断を受け
通院日数1ヶ月と3日
実通院整形に4日 整骨院15日ほど通院していました。
弁護士基準だと慰謝料はいくらくらいになりますか?
33日間の通院で19日の通院回数では裁判所基準の慰謝料は21万円と試算されます。
はじめまして。
おおよその慰謝料を試算いただけますでしょうか?
宜しくお願いします。
1、入院220日
2、病院へ通った日数 現在11日(まだ通っています)
3、傷病名または症状
・左足距骨粉砕骨折
創外固定手術/人工骨手術
・右足脛骨腓骨複雑骨折
固定手術/創外固定手術
・右まぶた
6針縫う
・右前頭部 右腕 脇腹
擦り傷
4、事由があれば
・車(相手)と自動二輪(私)で信号のある交差点で私直線の相手側が右折。相手側の前方不注意による衝突事故(加害者も認めている)。相手が道の真ん中で止まったので避けようとしたら衝突してきた。
・相手の保険会社は、何を根拠に言っているか分からないですが65:35(私)と言って来ています。
入院220日に対する慰謝料は、裁判所基準の重症で272万円と試算されます。通院期間が不明なので、通院期間を加味した慰謝料の算出はできませんが、仮に通院期間が30日だとした場合はぴょそ300万円が入通院慰謝料と試算されます。
勉強になります。ありがとうございます。左足の距骨が粉砕骨折で人工骨が入っているのですが障害者認定される可能性は低いですか?
それは障害の対象となります。
度々返答ありがとうございます。治療に専念します。
事故から示談まで180日で通院が70日でしたら示談金はいくらぐらいですか!
10:0です。
神大様 自賠責の慰謝料で588000円となりますが、整骨院ではなく病院への通院での計算となります
お尋ね致します。大腿部にあおじで 入院無し。通院が、半月の間に3回の通院治療内容の4才の子供(法廷代理人)が、加害者に対して最高でいくらくらいの慰謝料を請求出来ますか?
宜しくお願い致します。
田中様 通院慰謝料につきましては、3回ですと25000円程度となるかとおもわれます。子供さんの場合は通院に親御さんが付き添われることになるかと思われますので、通院付添費として6150円(通院1回につき2050円)と会社を休まれたのであれば休業損害証明書を提出すれば支払いがあります。
有り難うございます。
見方が、解らずもう一度質問してしまい申し訳ございませんでした。
はじめまして。回答お願いします。
過失割合10:0 当方は0です。
入院無、通院期間4月~10月(221日)
通院回数85回
通院中に職場が変わり新職場から病院が遠く
終業後リハビリ等に通えないので85回の中に
整骨院への通院もあります。
(病院50回、整骨院35回)
首~背中痛(ムチウチ)、頭痛、肩周囲痛、
減額事由、後遺障害 無し
どの程度の慰謝料が妥当なのでしょうか?
山崎様 自賠責基準慰謝料で約56万円となります。通院期間が割と長期になっているようですので、自賠責上限の120万円を超えている場合は任意保険基準となりますので、ある程度の減額が予想されます。ご参考になさっていただけますと幸いです。
回答ありがとうございます。
自賠責基準におさまるのかどうかはまだ詳細が来ていないので
解らないのですが、自賠責基準で収まるのであれば
通院期間と通院日数*2の小さい方を取って
85*2*4200で、約71万円程度ではないのでしょうか?
通った整骨院はカイロやマッサージ等ではなく柔道整復師
さんのいる整骨院です。
山崎様 仰いますとおり柔道整復師の施術の場合においては、そちらの計算式でよろしいと思われます。柔道整復師でない場合の整骨院の施術の場合は*2と計算されないため、約56万円と試算させていただきました。
任意保険の兼で質問ですが毎日通院すればもらえるお金は一番高いとおもいますが一週間五回の通院ですともらえるお金はかわりますか?自賠責の場合×2の計算があるので毎日通院しなくても満額もらえるので、任意保険にもそうゆう計算方法はありますか?
秋山様 任意保険の場合ですが、各保険会社によって基準が違ってくるそうです。過失割合が0の場合においては、通院日数が多ければ増額ということになりますが、通院が長期にわたる場合においては減額される傾向にあるようです。
私が原付で走行中に、後ろから来た軽バンに追い抜き際に被せられて、転倒。(私の原付ハンドル右端と軽バンの左リアドアが接触で)救急搬送されました。
加害者は悪質危険運転ですが、良い子を演じて保険屋へは虚偽報告。
同時方向走行中にバイクがぶつかって来た。
嫌がらせ幅寄せの意図はない等の報告をしており、保険屋と揉めてます。
先方8;私2の過失割合で納得行かず・・・
幸い軽症です。診断書は腕・ひざ・腰の打撲で全治3週間です。
腰の痛みで、これから通院です。
私は大型二輪も趣味で乗りますから、多少のトラブル回避運転は出来ます。
今回の様な、加害者が危険運転で保険屋には本当の事を報告せず。
保険屋は加害者の報告を鵜呑みで、契約者を守る。
双方言い分曲げず、結論が出ません。
今後の方針は妥協したくありません。
どの様にすれば良いでしょうか?
宜しくお願いします。
鈴木様 客観的に立証できるドライブレコーダーや目撃者がいればよいのですが、もし立証できるすべが無い様でしたら決着がつくまでに時間がかかると思われます。弁護士特約があれば弁護士に依頼すのも手段の一つですが、もし裁判も辞さないのであれば一度検察庁に出向いて今回の事故について記されている「実況見分調書」の入手をされてみてはいかがでしょうか。反論のヒントが見つかるかもしれません。
はじめまして、よろしくお願いします。
慰謝料算定の場合の通院日数に関してですが、病院に行った回数なのでしょうか。治療終了までに掛かったトータルの日数なのでしょうか?
例えば週一回3ヶ月通院したとしたら、一ヶ月で(4回)×3(ヶ月)が基準となるのでしょうか?単に3ヶ月が基準になるのでしょうか?よろしくお願いします。
山田様 よろしくお願いします。自賠責の慰謝料算出方法においては、実通院日数×2>総通院期間の場合は通院期間×4200円となります。
1ヶ月あたり4回の通院の場合は日数は4×2=8<31となりますので、4200円×8日分が慰謝料として支払われます。
自転車で自転車追突されむち打ち、全治7日学生部活で通院出来ません。慰謝料等はどうなりますか?
田口様 自賠責保険の慰謝料については通院日数に比例して支払いが行われますので、骨折などでギプスをされていない状態でなければ慰謝料は支払われることはありません。
高校生の息子が自転車事故、後ろから追突されむち打ち等で全治7日の診断を受けましたが部活で通院出来ません。慰謝料はどうなりますか?
9-1で相手側が悪い場合健康保険を使わなくても問題ないですか?120万の自賠責のわくは越えるとおもいますので、任意保険の場合でお願いします。
秋山様 10:90であっても医療費の1割は過失相殺される計算になりますから、1円でも多く手元に残したいのであるならば、健康保険を使用する事をお勧めいたします。
質問が重複してました。ありがとうございます。またなにかあれば、よろしくお願いします。
ありがとうございます、。もうひとつ聞きたいのですが自賠責の場合行った日数×2なので毎日行かなくても満額もらえますが任意保険の場合どうなんでしょう?自賠責と同じ月に20日くらいいけば毎日行ったように満額くれるのでしょうか?
秋山様 自賠責と違って任意保険は各社によって基準がありますが、慰謝料が通院日数に比例するのは間違いないところです。
それと自賠責の場合行った日数×2なので毎日いかなくても満額くれるらしいのですが任意保険の場合どうなんでしょうか?やはり自賠責と同じで毎日いかなくても月に何日か行けば満額くれるのでしょうか?
任意保険基準は保険会社によって異なります。通院期間が長引くと単価が減る傾向にあります。
任意保険の計算なのですが最終的に払われるお金は治療費こみですか?治療費を安く済ませれば最後にもらえるお金も多いのですか?病院のほうで湿布等をもらっているのですが示談金で貰えるのがこみならそーゆうのをもらわないでおこうとおもいますので。スミマセンがよろしくお願いいたします。
秋山様 過失割合において無過失でない場合は治療費×過失割合分において自己負担が生じます。人身障害保険に加入していない場合は慰謝料との相殺が行われることによって本人の負担が生じる場合があります。ただし、自賠責保険において(120万円以内)の場合は例外といたします。
治療が中止されて、それまでの計算で148日×4200円で
621600円(交通費込み)
と提示されました。
これは自賠責保険の基準かと思いますが、増額可能な方法はありますか?
被害者様 現在も痛みなどの残存した症状があれば、後遺障害を申請し増額を目指したいところですが症状はいかがでしょうか?
信号待ちで追突され10対0のもらい事故の結果、頚椎捻挫の診断を受けました。
これから週2回のペースで通院治療の予定ですが、1ヶ月分の慰謝料はどれ位になるでしょうか?
ジャック様 4週/8回と計算して67200円となります。
信号待ちで、後ろから追突され、0対100で相手が悪く、被害者側です。
3歳の子供と乗っていましたが、二人とも外傷はありませんでした。
ただ、後日身内から慰謝料も出るから病院で診てもらえと言われましたが、相手の保険会社からは事前に病院をいってもらえば、支払いしなくていいようにすると言われました。
この場合、特にお金はもらえないということでしょうか?
ちなみに車は軽く凹んだんで、問題なくそれは対応してもらえそうです。
事故にあった男様 病院に通った日数に応じて保険会社から慰謝料が支払いされることになります。
>相手の保険会社からは事前に病院をいってもらえば、支払いしなくていいようにすると言われました。
病院の治療費のことをいっているのだと思われます。
二車線の道路で全部で3台停止中の後方からのわき見運転の事故です。自分のは車は全損でした。怪我は頚椎腰椎打撲捻挫で10-0です。通院期間5カ月実通院日数80日で示談の方向で考えています。休業損害は個人事業主なので確定申告書を添付するつもりです 。確定申告書だと年収580万で経費など差し引くと260万で申告してあります。休業は医者に行くため現場 を休んだり事故当時は3週間位寝込んでました。残りは通院日数を見てもわかる通り医者に行くため途中で行ったり遅れて行く事によりかなりマイナスになりました。そうしますと2カ月分位は休んだのと同じになりますが保証して貰えるのでしょうか?あと自賠責保険での計算と任意基準の計算の金額がわかれば幸いです。車も全損になっていますので慰謝料で何とかしてもらわないとかなりキツイ状態です。良いアドバイスをお願い致します。
ケンシロウ様 自賠責基準630000円 任意保険基準約60万円です。残った症状があれば後遺障害の申請をすることができます。休業損害につきましては、自賠責であれば、一日あたりの所得×通院日数となりますが、任意保険であれば担当者との交渉となります。これからも通院が必要な状況であれば是非とも後遺障害等級認定が必須かと思われます。認定されることになれば慰謝料の増額も見込めますので、一度メールにてご相談ください。
1総治療期間9日、2通院実日数2日、3擦り傷(左肘)先日、人身事故により、上記の被害を受けました。幸い擦り傷のみで後遺症はなしです。慰謝料の提示はいくらが妥当でしょうか。既に慰謝料以外で約4万5千円程度は請求しています。
よろしくお願い致します。
大学生様 自賠責慰謝料で16800円となります。その間にアルバイトの休業などがあれば、別途請求してください。
ご返信ありがとうございます。
参考程度に裁判所基準と任意保険基準(相場等)も教えていただけないでしょうか。よろしくお願い致します。
大学生様 裁判所基準3万円です。任意保険基準は自賠責の治療費などを含めた合計が上限の120万円を超えた場合にしか適用されないため、今回のケースでは算出ができません。通常は自賠責基準>任意保険基準となります。