交通事故の賠償金支払いの原則は一括払い(一時金)です。
これには、示談金を「将来の損害を支払った直後に被害者が死亡した場合などに不公平さが出るのではないか」といった問題が生じますが、被害者にとっても物価上昇などのリスクを負う事から、被害者が死亡した場合でも一括払いの示談金を返還する義務はないとされています。
そして、加害者に資力がない場合などは、すでに発生した過去の賠償金を分割払いにするといった方法がありますが、長期の場合に破産や夜逃げ、開き直りなどの現実的にかなりの危険を伴います。
定期金
いままで述べた分割払いとは別に、定期金といものがあります。これは前述の分割払いとは違います。これから発生する将来の賠償金を一括(一時金)ではなく、定期的(毎月など)にその都度支払うというものです。
定期金の多くは、後遺障害の逸失利益がその対象になります。交通事故にあわなければ将来得られるはずだった収入が後遺障害によって得られなくなってしまった時など、認められた収入が毎月支払われるというものです。最高裁判所でも「交通事故被害者が後遺障害の逸失利益について定期金賠償を求めた場合、損害賠償制度の目的理念に照らし相当と認められるときは対象となる」という判決が出ています。
定期金のメリットはなんといっても、中間利息の控除がないことや「生存している限り一年ごとに480万支払え」といった事ができることです。デメリットは分割払いと同じく破産や夜逃げ、開き直りなどの危険が伴います。(損保も倒産する時代です)