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交通事故の治療期間は?~治療費支払いの打ち切り

[記事公開日]2011/03/29
[最終更新日]

交通事故の治療期間

交通事故の治療期間は症状が全く無くなるまでではありません。損害損害賠償上で相当と認められる期間が交通事故と因果関係のある治療費、つまり加害者が賠償すべき治療費となります。例え症状が残存していたとしても、治療の期間が妥当であれば治療は打ち切りということになります。但し、正確に表現すると「治療費の内払いが打ち切られる」という状態になります。

治療期間の判断

交通事故の治療期間は、保険会社・医師・被害者が治療を終了と判断した時までとなります。これは実務上の話であり、本来は十分治療したといえる状態でなければならないので主治医が判断するものでなければなりません。しかし、実務では、保険会社が治療の打ち切りを判断する事によって、治療終了とされる事が多いです。

自覚症状のみの頚椎捻挫や腰椎捻挫の場合には、1カ月・3カ月・6カ月が治療打ち切りのタイミングになる事が多いです。

1カ月で治療が打ち切られるのは、よほどの事が無い限り行われませんが、3カ月の打ち切りになる事はあります。これは、医学的に3カ月での「治癒」が70~80%と多い事や症状が極めて軽く軽快している事、物損の損傷程度が極めて軽く体の受けた衝撃が軽いと推測できる場合などに行われます。

半年という治療期間

そして、6カ月での打ち切りは、今や基本と言えるほど多いです。これは、症状固定(後遺症)と言えるのが交通事故後の半年を経過した時点である事を考慮しての事で、1年や2年もの間、通院を継続できるのは極めて稀なケースです。ただし、近年では後遺障害を阻止しようとしているのか、保険会社が5か月で治療を打ち切ってくることが散見します。

ここまでは、自覚症状のみの場合を説明してきましたが、骨折などの他覚的所見がある場合には、この原則には当てはなりません。骨折部位などにもよりますが1年間以上の通院というのも比較的多く見られます。

治療打ち切り対策

保険会社による治療の打ち切りに対抗する絶対的手段はありません。治療の打ち切りを1カ月程度先延ばしする事は、交渉によって比較的簡単にできますが、無期限に伸ばすことはできません。自賠責への被害者請求という方法もありますが、120万円という自賠責の枠が十分に残っている前提でなければならず、あまり現実的ではありません。もしも、治療費の負担について争うのであれば、治療の打ち切りになってしまったあとは、自費で通院をしてから、示談を締結する時に裁判または交通事故紛争処理センターで治療の相当性や妥当性を争い。結論を出さなければなりません。治療の打ち切りの後の治療費の負担を、直接の話し合いで解決させることは極めて難しいです。

治療費の支払いを打ち切りにされてしまったら

1例としては、受傷後3カ月で打ち切りとなってしまった場合には、4か月目からは健康保険を使用して通院をして、症状が残存した場合はしかるべき時期に症状固定として被害者請求で後遺障害の申請をし、等級を獲得してから加害者との交渉をする事という流れがあげられます。後遺障害の等級を獲得する事によって、交通事故の損害賠償金は確定するので、この時点で初めて示談交渉を開始できる事になります。後遺障害の申請をしない場合には、治療を終えた時点で交渉を開始する事になります。

治療終了をするまで、示談締結まで、治療費が最終的に賠償と判断されるかどうかわかりません。これはすでに内払いを受けた治療費についても同じで、治療費を支払った保険会社は「治療費を病院に6か月分支払ったが、事故による通院は3か月が妥当と判断できるので過払いの治療費は慰謝料と相殺します」という主張もできてしまいます。

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69 thoughts on “交通事故の治療期間は?~治療費支払いの打ち切り

    1. 診察をしたときに症状固定と診断されるのが自然と思います。なので診察日=症状固定日が自然だと思います。

    1. 医療照会ができない、つまり、回答が行われないということだと思いますが、これは実際にございます。

  1. 保険会社から突然あと一週間で打ち切りと言われました。リハビリの先生はまだかかると言われたのに一方的にそんなことができるのですか?

    1. 打ち切りなのは、治療費の示談前の病院に対する直接支払い(賠償金)であって、治療を打ち切らなければならないということではありません。リハビリの先生ではなく、ドクターの見解をお聞きください。

  2. 私は、渋滞中で車で止まっていたら追突され全身打撲、頚椎捻挫と診断されました。ですがまだ一向にリハビリにも真面目に忙しい中を合間みて行っています。そこで事故の加害者の保険会社が代理人として弁護士をつけてきました。過失割合は100対0と言われました。なのに弁護士が代理人なんておかしな話しですよね。しかもまだ、頚椎捻挫が治ってもないのに打ちきりされそうなんですが、かれこれ3ヶ月たちます。私もこのままではと思い弁護士をつけることにしました。まだ、身体も痛いしほとんど何も改善されないのに打ちきりの話しがでたんですがこれから私はどうしたらいいでしょうか??いいアドバイス頂きたいのですが、宜しくお願いします。

    1. もし治療を打ち切られてしまった場合は健康保険を使用して通院することも可能です。治療費は自ら支払う事になりますが、示談の時に相手方に請求して損害賠償金として認められる可能性は有ります。

  3. よろしくお願いします。
    10ヵ月前に信号待ちで後ろから追突されました。
    運転が困難だったためにタクシー通院で 月に20日は整形外科のリハビリテーションを続けていました。
    保険屋の担当者が通院は そのまま続けていただいてけっこうです、通院交通手段のみを変えてくれと言われていました。
    後遺症害というのがあるので書類を送ります。と言われ、後遺症害の説明もあやふやでのまま、その後の電話で後遺症害を医師に相談してみて返事を聞かせて下さいとのこと。
    痛み止めの使用量も減らせるようになってきて医師からは治療効果が出ており症状固定ではないですと言われ、運転が可能になったので自家用車で通院に切り替えた翌日に、後遺症害も提出していない等で協力的ではないので治療費・薬費・交通費を打ち切ります、今後は弁護士が窓口になりますとの電話で圧力に負け治療効果など何も伝えられないまま打ち切られました。
    身体の症状は痛み止め等処方の薬を飲みながらであれば急な動き以外は人並みに動くことはできるようになってきている。手足の痺れがあります。頭痛・耳鳴り・吐き気が出ます。それでも当時から比べたら雲泥の差です。
    痛み止めさえ止められれば治療はやめようと思っていました。今後は どのようにしたら良いのか 訳がわからないまま今を迎えています。

    1. 現在の状況では被害者として特別行うことはありません。相手側弁護士からの連絡待ちの状態で、その主張内容をまって「どうするか?」対策を考えることになります。

      いうならば、後遺障害診断書の提出は自由です。しかし、保険会社が治療費を直接支払うかどうかも自由です。今回のような場合では、具体的な交渉は交通事故としての治療を終えた後に行うのが一般的です。

  4. 初めまして。
    私は、2015.7中頃に
    後ろからの衝突で10:0の交通事故にあいました。骨折など大怪我はなかったのですが、むち打ちで左手の肩〜薬指小指の痺れがまだ残ります。
    当初、近所の整形外科で月一回の診察、リハビリは、月に10日以上を受けていましたが、三ヶ月目の診察前に勝手に医師から保険会社に治療終了との事で困りました。
    その後、知り合いからの紹介で車で30〜40分ほどかかる整形外科と整骨院の併用で現在に至ります。事故以来、頭痛もひどい日があり、フラッシュバックの様なトラウマに度々襲われます。
    現在までロキソニンだけで頭痛を抑えてきました。フラッシュバックもいずれ無くなるのかと思っていましたが、未だに助手席に乗っていても思い出したりします。
    精神内科に通いたいと思ってるのですが、最近、保険屋から先月までで賠償打ち切ります。との電話があり、何故かと聞くと、以前の整形外科では、3ヶ月で終わっても大丈夫との事でしたので!と言われました。でも、現在通う整形外科の先生とは今月末(2016.1.末)まで通う約束していましたので、今月末までは賠償してもらえるとのことでしたが…精神内科に通いたいと言い出しづらく、まだ言えてません。
    今からでも、通っても
    保険会社は、賠償してくれるのでしょうか?

    1. えのもと様 治療費につきましては、保険会社の担当との話し合いになろうかと思われます。事故と症状のの因果関係が認められれば治療費は保険会社が支払わなくてはなりませんが、それを立証する必要が出てまいります。担当とご相談されてみてはいかがでしょうか。

  5. 返信ありがとうございます!
    治療期間の質問なんですが、例えば10日が事故日だとしたら10日から来月の9日までが1ヶ月と捉えればいいでしょうか?

    1. 俊様 ご認識の通りですが、1ヶ月は30日でカウントされるため例として100日=3ヶ月と10日と計算されます。

  6. 整形外科では脛椎捻挫の診断でした。
    整形外科と接骨院、整骨院だと通院期間の目安が違うのでしょうか?よろしくお願いいたします

    1. 俊様 基本的に整骨院の通院のみですと、通院期間を短くされがちです。それと最終的に出る通院慰謝料についても減額される傾向にありますので、可能であれば整形外科に通院することをお勧めいたします。基本的に診断書を書けるのは医師のみであり、整骨院の先生は診断権をもっていません。

  7. 保険屋の担当者は態度あまりよくなくて話してもこじれるだけなので保険屋のほうは専門の弁護士の先生をたてるので今後は先生と話してくださいといわれました。こちらも保健協会の相談センター調べて相談しないとこういう件ははじめての経験なので意見お願いします。

  8. 去年12月に交通事故にあってまだ病院通ってるけど仕事が忙しくてなかなか行けない日もあってこないだ病院に行ったら医療費終了されて保険証で支払いして下さい言われました。すぐに保険屋電話したら30日経過したので保険屋のほうで治ったと判断して打ち切りました言われたです。しょうがないですか。意見お願いします

    1. 石井様 患者都合においての通院30日以上の空白期間があった場合には自賠責の規定により「治癒」とみなされる事になっております。

      1. こんにちは。1週間前に信号待ちで追突事故にあい、整形外科から整骨院に転院したいと伝えたらその場合2ヶ月目安にと言われたんですが、治癒しなかったらその後も通院させてもらえますか?

  9. 5月の終わりに交通事故をし
    8:2の割合で私が2の過失でした。
    ムチウチになり接骨院に通院してるのですが
    昨日相手の保険屋からの電話で、今後の治療費はもう出せません。と言われました。
    私自身まだ症状はあるものの、今後の治療費は実費でおねがいします。と一方的な電話でした。
    納得できませんと話たところ、でしたら話が長引くだけで、治療費は昨日までのぶんしかだせません。と言われました。
    このような場合はもう実費で通うしかないのですか…
    また慰謝料も昨日までで終わりなのでしょうか!?

    1. 澤田様 保険会社の治療費打ち切りの場合においては、記事に書いてある通りそれ以降の治療費はできませんが、裁判もしくは紛争センターに持ち込んで治療費が必要という主張をするのでありましたら、可能性はあろうかと考えられます。

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