去年8月、当時19歳の男子大学生、山田さんを車でひいて死亡させ、救護をせずに逃走した事件。被告の70歳男の第2回公判が2月16日開かれ、事故の実況見分を担当した警察官が法廷で証言しました。マネキンを使って行われた実況見分で、警察官が見えたマネキンを被告の男は「見えない」と話したといいます。「自分は見えるけど本当に見えないか?」と、聞き返す警察官。続く男の発言に警察官は「不合理だと思った」と話しました。
実況見分は、“マネキン人形のようなものをひいた”とする横井被告の証言に沿って行われました。
実況見分が行われたのは事故の3週間後の去年9月7日の夜。事故現場の道路に置かれたのは“マネキン”です。
山田さんと同じようなサイズの身長160センチ、体重65キロ、手足の関節が自由に動くものでした。さらに事故当時、翔向さんが身に着けていたものと同様のシャツ、半ズボン、靴が身につけられました。横井被告が見たとする“マネキン”の形状は、横断歩道に並行するように置かれていて、左ひざを立てた形だったといいます。
実況見分では、横井被告が事故当時運転していた軽自動車を、交差点の停止線の70メートル手前から、5メートルずつ前進させて、マネキンが運転席からどう見えるのかを確かめました。
実況見分をした警察官:「自分の目で明らかに見えるものが『見えない』と言うことに、不合理だと感じました」