労働能力喪失期間とは、後遺障害によって労働の減収が生じた場合の、その減収を将来の何年間にわたって賠償するか?その期間のことをいいます。
後遺障害による減収の賠償〜逸失利益〜
そもそも、後遺障害による将来の減収を逸失利益と言いますが、この逸失利益の金額は次の計算式で計算します。
基礎年収×喪失率×ライプニッツ係数(喪失期間)
となっています。
この計算式の基礎収入とは被害者の年収のことで、原則として事故前年度の年収となる場合が多いです。喪失率とは減収率、つまり後遺障害によって減少する年収の割合で、通常は後遺障害の等級によって定められている割合となります。
喪失期間とは?
喪失期間とは、このページの最初で説明した通りですが、交通事故によって負った後遺症障害による減収の影響が生じるであろう期間(年数)です。この先何年間にわたって生じ続けるかを予想して、その予想される年数分を一括で賠償するという時に決める年数の事です。
喪失期間は、原則として67歳もしくは平均余命までとされるていますが、その性質上、後遺症の程度によって個々に決めていくのが適当と言えます。
例えば、後遺障害が14級9号の場合には2~5年、12級12号の場合には5~10年といったように、後遺障害の等級(級)と系列(号)によって決めていきます。いずれ治るだろう神経症状は低めに抑えられるのが一般的です。大抵任意保険会社が提示するのは14級で3年前後、12級で5年~7年くらいです。私の経験では12級13号を10年にするのは簡単ですが、14級9号を5年にするのは難しいという印象を受けています、
実際の、交通事故の賠償で問題になることが多いのが、この逸失利益の喪失期間です。なぜなら、喪失率のように確かなに一定の基準が存在しないからです。
被害者としては、判例の傾向を十分に研究し加害者と対峙すると良いでしょう。
交通事故の後遺症について- カテゴリーなし
- 労働能力喪失期間とは?
喪失期間とは、交通事故によって負った後遺症障害によって、将来何年間収入に影響がでるかを予想して、その予想される期間分を予め賠償するという時に決める年数の事
- 交通事故での鎖骨骨折の後遺症について
交通事故での鎖骨骨折で手術を行うと、骨がきれいに戻る事が多いのでこの場合は後遺障害非該当か14級となります。もちろん、鎖骨骨折なので12級の可能性が無いわけではありません
- PTSD・交通事故の恐怖がストレスになり日常生活に支障
トラウマなどの非器質的精神障害について
- 鞭打ち(むちうち)・頚椎捻挫の場合の後遺症認定
ムチウチの後遺障害について
- 後遺症の逸失利益は、どんなときでも必ず算定するのか?
実際の収入減が考慮される場合があります
- 後遺症が請求できなくなるのはいつか?請求の時効
症状固定日から3年が経過すると時効となります。
- 後遺症に応じて生じた自動車や家屋改造費は請求できるのか?
相当性があれば請求できます
- 外国人の後遺症は何か違うのか?
外国人の立場によって賠償金が変わります。
- 後遺障害等級に該当しなくても慰謝料は請求できるのか?
裁判外での請求は難しいです。
- 後遺症の将来の治療費、介護費などは認められるのか?
症状固定日以降の賠償金は原則は賠償対象外です。
- 示談後に後遺症が出てきたが、再交渉はできるのか?
示談後に後遺障害が認定されたときに備える必要があります。
- 労働喪失率とは?
後遺障害の労働喪失率について
- ライプニッツ係数とは?
ライプニッツ係数とは、交通事故の後遺障害逸失利益(死亡逸失利益)を算定する時に使用するもので、その喪失期間に相応するライプニッツ係数を適用します。ライプニッツ係数の一覧表を元に計算方法やライプニッツ係数の考え方を説明します。
- 後遺症で減収があった場合は?逸失利益
減収がある場合の賠償金について。
- 後遺症で仕事、家事ができなくなった。やりにくくなった。(逸失利益)
後遺障害では逸失利益が算定されます。
- 後遺症の認定に不満があるのだが。どうにかならないか。
後遺障害の等級に対する異議申立てが可能です。
- 後遺症に対する慰謝料金額は?
交通事故の後遺障害の等級に応じて慰謝料が支払われます。
- 後遺症は誰がどうやって後遺障害と決めるのか?請求の仕方は?
後遺障害が認定されるまで
- 後遺症が残る時・交通事故の後遺症とは?
交通事故の後遺症について。交通事故でいう後遺障害とはどのような場合を示すのか。それは基本的に自賠責が認定するかどうかです。