「交通事故では健康保険は使えません」
医療機関の窓口でそう言われる人は数多く、それがこの間違った常識を世に植えつけました。「交通事故の治療には自賠責保険を使うから健康保険は使えなない」と。
しかし、これは全くのデタラメです。
交通事故でも社会保険など、健康保険は使用できます。
なぜ、医療機関は「健康保険は使えない」というのでしょうか。それは医療費が健康保険では1点10円でその算定基準も厳しいからです。医療費というのは、その医療行為によって点数が決められています。つまり、医療行為の点数×10円が医療費となります。しかし、健康保険を使わない自由診療の場合は1点を何円にしようが医療機関の自由なのです。1点20円や30円、高いところで50円なんてのも聞きます。
また、健康保険では医療行為に対する制限がありますが、自由診療ではこの制限が無いため、健康保険で計算を行うと103点の医療行為が、自由診療で計算を行うと500点になる医療行為があります。もちろん、治療内容は同じであり、こういった部分でも自由診療の弊害が発生します。
一例をあげると、むち打ちでのリハビリは、健康保険を使用すれば窓口負担は400円程度ですが、自由診療の場合は5000円くらいになります。
保険診療よりも自由診療の方が、特別な治療が受けられるという事実もなく、現在の交通事故での治療はそのほとんどが保険適用の適用が可能な治療です。
交通事故で救急車で担ぎこまれても、後日健康保険証を窓口に出し「初診からの適用をお願いします」といいます。ただし、健康保険の請求は月末締めが一般的なので月をまたぐ場合は注意が必要です。
目次
業務中の交通事故は労災保険
業務上の交通事故には、労災保険を使用します。また、労災が適用されるときには健康保険は使えません。健康保険が使えるときは労災は利用できません。
健康保険の給付内容
給付内容は下記のとおりです。
療養の給付
傷病に必要な療養そのものを給付する。一般負担金は本人、家族で3割、70歳以上は1割ないし
2割である(収入による)3歳未満は2割である。また、保健医療機以外で治療を受けた場合には
必要と認められる範囲内で費用が給付される。
傷病手当金
労働ができずに賃金が支払われなかった場合には1年6ヶ月を限度に休業手当を補償する。
埋葬料
被害者が死亡した場合に、埋葬のための一定額が支払われる。(約一か月分の給与)
自動二輪で、標識を見落としたために、左折してはいけない信号交差点を左折し、側道から来た自動車と接触、転倒しました。警察の事故処理が終わった後救急車で病院へ行き、時間外だったので緊急対応の診療を受け、後日通常の診察を受けます。自分に非があるので、健康保険を使い診療を受けることになるのですが、人身事故の手続きが必要ですか?宜しくお願いします。
ケイ様 物損事故扱いで健保を使用する場合は「人身事故証明書入手不能理由書」を提出する必要があります。詳しくは以下のhpを参照してみてください。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/gunma/g1/h23/3506-52520
交通事故(自損事故)で 一旦社会保険を使用したのですが、
後日、使用しないように 取り下げすることはできますでしょうか?
手続きを行えば可能と思われます。