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死亡事故では本人とは別に「遺族に対する慰謝料」があるって?

[記事公開日]2011/01/02
[最終更新日]

自賠責の支払規定において、遺族の固有慰謝料が認められる範囲と金額(請求者1名550万円・2名650万円・3名750万円)は明確であり、これに例外はありません。つまり、被害者の親、配偶者、子が遺族固有の慰謝料を受け取ることが出来ます。親、配偶者、子以外に扶養者がいる場合は200万円が加算されますが、これらは自賠責独自の規定と言っても過言ではありません。(理由は文末の死亡慰謝料をご参照ください)

遺族固有の慰謝料と死亡慰謝料の違い

「遺族固有の慰謝料」とは、死亡した被害者の死亡慰謝料とは区別されるものです。死亡した被害者の慰謝料は、死亡の瞬間に慰謝料が生じたと理屈から、本来は被害者の賠償金になります。これは慰謝本人がすでに死亡しているので相続の対象になりますが、固有の慰謝料はその遺族本人の賠償金にあたります。

民法711条に基づく遺族の慰謝料請求権

自賠責の遺族慰謝料は先に述べましたが、法律(民法711条)でも遺族固有の慰謝料請求権が認められていますが、請求者は親、配偶者、子に限っています。しかし、判例(最高裁判所昭和49年12月17日判決)では、民法711条を類推適用して妹にも固有の慰謝料を認めたものがありす。また、最近では甥や事実上の養子にも711条の類推的用が認めれてきています。これは 死亡した被害者との間に実質的に親、配偶者、子と同視出来るほどの特別厳密な関係にあることが認められれば、民法711条の類推を認めるとされています。

死亡慰謝料(死亡した被害者本人)

もっとも、交通事故の損害賠償請求では、自賠責のように遺族固有の慰謝料が個別に算出されることは少ないです。なぜなら、死亡した本人の死亡慰謝料に含められているからです。

だからこそ裁判所基準での死亡慰謝料は、遺族が多い一家の支柱(2800万円~3600万円程度)と独身者(2800万円~30000万円程度)の死亡慰謝料基準が異なっているのです。

なお、自賠責基準の死亡慰謝料は350万円です。死亡した本人の慰謝料金額350万というのは、遺族の慰謝料550万円よりも少ないですが、その理由は定かではありません。

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